○議長(北山篤君) 直ちに指名いたします。
福田賢治君を指名いたします。
○議長(北山篤君) お諮りいたします。ただいま議長において指名いたしました
福田賢治君を
計画消防委員長当選人と定めることに御異議ありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(北山篤君) 御異議なしと認めます。 よってただいま指名いたしました
福田賢治君が満場一致をもって
計画消防委員長に当選されました。
○議長(北山篤君) 日程第1、報告第16号、平成3年度大阪市
自動車運送事業会計決算報告についてないし日程第4、報告第19号、平成3年度大阪市
工業用水道事業会計決算報告について、一括して議題といたします。
○議長(北山篤君)
決算特別委員長より審査の報告を求めます。 52番
決算特別委員長壷井美次君。
---------------------------------------
△(
イメージ)
決算特別委員会審査報告書 --------------------------------------- (52番
決算特別委員長壷井美次君登壇)
◆52番(
壷井美次君)
決算特別委員会に付託されました報告第16号、平成3年度大阪市
自動車運送事業会計決算報告について外3件に関する審査の結果と経過の概要につきまして御報告申し上げます。 本委員会は去る9月25日の本会議において審査の付託を受けまして以来、本日に至るまで、
実地調査を含め7日間にわたり、慎重かつ熱心な審査を行いました結果、お手元に配付いたしております報告書のとおり、
決算報告4件はいずれも認定すべきものと決した次第であります。 以下、委員会での
質疑応答の概要を重点的に御報告申し上げます。 申すまでもなく、交通、水道両事業は、
市民生活はもとより、都市の活動を支えていく上で欠かすことのできない極めて重要な責務を担っております。両事業は昭和27年に
地方公営企業法が適用されて以来、
サービスと経営の合理化をモットーに、常に経済性の発揮と
公営企業本来の目的である公共の福祉の増進に向けて、経営の効率化、省力化及び
付帯事業に積極的に取り組んでこられたのでありますが、その経営のあり方と
収支改善策について、各委員より活発な論議が交わされたのであります。 まず、
交通事業についてでありますが、平成3年度決算の
経営収支は3事業とも赤字となっており、また3事業を合わせた
累積欠損金は約1,187億円にも上っており、経営の維持が困難となっている厳しい
財政状況についてただされたのであります。これに対して理事者は
バス事業においては、
乗車人員が前年度に比べ、約7,000人増加しているものの、
走行環境の悪化などによる
輸送効率の低下、労働集約型の事業であるために人件費の占める割合が高いこと、
赤字路線であっても行政の一環として運行する責務があること等から、
運輸収益等の
営業収益で、
人件費等の
営業費用を賄えず、
経常損益では5億2,500万円余りの赤字となった旨答弁されたのであります。 また、
地下鉄事業においては1日平均、約274万人を輸送し、
乗車人員は
増加傾向にあり、本年2月に実施した
乗車料金の
消費税相当額の改定による
運輸収益や、
広告料収入の増加があったものの、新線建設、
車両冷房等の
サービス改善工事に当たっては、巨額の資金を必要とし、そのほとんどを借入金である企業債で賄うため、支払利息、
減価償却費といった資本費の増大が経営を圧迫していること、平成3年度には
補助制度の改正に伴い、
地下鉄建設費補助金を
資本的収入へ計上替えしたこと、新線については、開業当初はそれほど多くの
乗車人員が見込めないこと等から、
経常損益では241億9,700万円余りの赤字となり、今後とも非常に厳しい
経営状況が続く旨答弁されたのであります。 さらに、
中量軌道事業においては、多額の資本費のため、毎年赤字が続いているが、年々赤字幅が減少し、
経常損益は前年度に比べ、1億3,300万円余りの損失減で5億2,800万円余りとなった旨述べられたのであります。 この
決算報告を踏まえ、多くの委員より
交通事業における
経営健全化に向けての
取り組みについてただされたのであります。これに対して、理事者は
地下鉄車両の冷房化、
エスカレーター、
エレベーターの増設、バスロケーションシステムの拡充などの
サービス改善に積極的に
取り組み、1人でも多くの乗客の確保に努めながら、昭和48年度から平成3年度にかけて、
事務事業の見直しを行った結果、4,575名の職員を削減したが、今後とも
バス事業においては乗客数に見合った
事業規模の適正化、
間接部門の省力化、また、
地下鉄事業においても、業務の機械化、外注化に取り組むとともに、
運輸収入以外の収入の確保を図るため、
保有資産の
有効活用についても
自己開発を初め、
土地信託方式や新
借地方式に
取り組み、また
地下鉄建設費補助制度の拡充や、
特例債制度の継続などについて、引き続き国等に対し強く要望していく旨の決意を述べられたのであります。 次に、
乗客誘致のための
サービス改善の観点から、特に利用者の立場に立っての
エスカレーター、
エレベーターの増設を初め、
地下鉄車両の冷房化などについて多くの委員より質疑がなされました。これに対して理事者は、
エスカレーターはおおむね全駅に最低1基の設置を前提に、また
エレベーターについても、
駅舎構造や
周辺施設などを考慮しながら、可能な限り整備するため、5か年計画を策定し、鋭意整備に努めているところであるが、現在106駅中、
エスカレーターは89駅に、
エレベーターは17駅に、それぞれ設置しており、このうち、ホームから地上までのルートが確保されている駅は11駅で、今後、
乗客ニーズに即して取り組んでいきたいが、特に地上部へのルートの確保には用地の確保、
道路環境の制約など、解決すべき課題が多く、
関係機関、
民間ビルに協力をお願いしながら、整備に努めたい。 また、
地下鉄車両の
冷房化率については、今年夏の時点では68%であり、
御堂筋線は来年夏に、他の路線は平成7年度におおむね全車両の冷房化を目指しており、今後、冷房化100%達成までには、約500億円もの費用が必要であるが、目標達成に向け、さらなる努力をしたい旨の答弁がありました。 このほか、
乗客サービス向上の観点から、
片福連絡線と地下鉄千日
前線野田阪神駅との
連絡通路の整備、区間に制限されないプリペイドカードの検討、
リフト付バスの運行、
ステップ数の少ないバスの早期導入、乗客の
利用実態に見合った
バス路線の検討などについて要望があったことを申し添えます。 次に、
岩崎橋地区の再開発に関連して、地下鉄7号線の心斎橋から大正までの延伸についてただされたのに対して、理事者はこの路線は延長2.8キロメートル、新設駅4駅の計画で、来年度の
工事着工により、沿線に建設される大阪シティドームの平成9年のオープンに合わせた開業を目指して、現在
国家予算における新規採択を強く要望している。なお、建設費は約740億円を見込んでいる旨答弁されたのであります。 このほか、
交通事業に関しては
地下鉄施設のリフレッシュ、交通局90周年
記念事業への
取り組み、
定期観光バスの新コースの設定とPR、
地下鉄敷津長吉線の
整備計画、地下鉄駅の換気、地下鉄の
排熱利用、
自動車車両工場の移転、市バスの始発、終発時刻についてなど、それぞれ熱心な論議が交わされたのであります。 次に、
水道事業についてでありますが、昭和58年度以来、8年ぶりに
赤字経営に転じ、平成4年度以降も、
経営状況はさらに厳しくなるという見通しに対して、多くの委員から経営の効率化、省力化による人件費の削減、
琵琶湖開発事業の完成に伴う新たな負担問題、
高度浄水施設の整備による将来の経費の増加等について、活発な質疑が行われたのであります。これに対して理事者は、
給水収益は今年3月からの
水道料金への
消費税転嫁による増収はあるものの、
水需要構造の変化等により給水量が横ばいないし微増で推移しており、一方、人件費の増加とともに、
給水装置整備の拡充、
浄水場施設の補修など、費用の増加が収益の伸びを大きく上回り、11億7,900万円余りの赤字となった旨答えられたのであります。 また、
企業経営の効率化、省力化については昭和55年度から平成3年度までに、
技能職員退職者の不補充や、
営業所業務の機械化などの
事務事業の見直しにより、291名を削減し、その
累積換算額は約176億円になり、また、1人1月当たりの超過勤務時間を13.4時間削減した結果、その
累積換算額は約87億円となっているが、今後とも
浄水場部門の見直し、
一般事務部門のOA化の推進などに努める旨の答弁がなされたのであります。これに対して、各委員より一層厳しい検証が加えられ、
工事事務所の
専業運転手制度や、
保有車両の見直しによる4
工事事務所と、8営業所の
工事部門などの思い切った機構の改革、
水道料金の
未収状況と未納整理に関して、
口座振替利用率の向上策や、コンビニエンス・ストアでの
料金収納の早急な実施、さらに職員の
自動車運転免許証切り替え時の
証紙代支給の廃止、
メーター点検業務の委託化などについて、厳しく
企業経営のあり方と是正が指摘され、さらなる徹底した
事務事業の見直しが求められたのであります。これに対して、理事者は今後とも
企業経営の健全化に向け、認識を新たにし、より厳正に
取り組み、最善の努力を払う旨、強い決意を披瀝されたのであります。 次に、
琵琶湖開発事業の完成に伴う新たな負担と
高度浄水施設整備費については、
琵琶湖総合開発事業の完成により、今後、総額約1,100億円を23年間にわたって負担せねばならず、これが
事業財政に大きな影響を及ぼすこととなるが、この
水源開発に係る経費については、
地方公営企業繰出金制度に基づき、
割賦負担金の3分の1が
一般会計から繰り出されることになっているので、引き続き
一般会計補助金の確保に努力したい。また、
高度浄水処理施設の整備についても、今後、国等に対して補助金の確保について努めていきたい旨答弁されたのであります。 次に、
保有資産の
有効活用のこれまでの
取り組みと、今後の
活用計画についてただされたのに対して、理事者は13カ所の
駐車場事業で、約3,800万円、
柴島浄水場配水池の上部を利用した
テニスコート事業で、約1,600万円の
事業収入を得ているが、現在、
城東配水場用地の一部を利用した
ゴルフ練習場事業や、
港配水場の建設局への土地の賃貸などに取り組むとともに、今後とも扇町庁舎の建て替え並びに開発、その他
浄水場用地、
配水池上部の利用、
営業所用地の開発等に一層取り組んでいく旨答弁されました。 また、
給水加圧ポンプによる
直結給水システムについてただされたのに対して、理事者は
小規模受水槽の衛生問題の解消と、
給水サービスの向上を図るため、受水槽を使用しないで、配水管の水圧をセンサーで感知し、
マイコン制御により、必要とする水圧を加えて、直接給水するシステムであり、受水槽が不要となることにより、水質の保全と美観の向上、エネルギーの節約などの長所があるものの、
突発事故即断水という短所もあり、早い時期の具体化に向けて、11カ所の建物で
調査実験を進めている旨の答弁がありました。 このほか、
水道事業に関しては、通水100周年
記念事業の一環としての
国際会議への
取り組み、
シアン流出事故時の対応、
北小松用地の
利用計画、
水桜会館用地の再開発、
隣接都市からの
給水地区の解消、琵琶湖、淀川の今後の水質予測、同和浴場への助成金のあり方、
シールコートの剥離、給水管の鉛管問題についてなど、それぞれ熱心な論議が交わされたのであります。 最後に、交通、水道両局の
事業経営の健全化に当たっては、まず、何よりも、自らの徹底した合理化、
効率化等に努めていくものの、なお、
財政事情が厳しい場合には、
利用者負担のあり方についても検討していかなければならないと考えられるが、今後ともより一層の
企業努力に邁進していく旨述べられたのであります。 以上、本委員会におきましては、
市民本位の立場から、市民の
日常生活の向上を目指した論議はもちろんのこと、将来を展望し、時代に即応した
都市機能の拡充に向けてさまざまな角度から
質疑応答が交わされたのであります。 なお、詳細につきましては、後日、調製配付されます速記録に譲ることとし、以上簡単ではありますが、
決算特別委員会の審査の報告といたします。
○議長(北山篤君) これをもって審査の報告は終了いたしました。
○議長(北山篤君) これより討論に入ります。 反対者の発言を許します。 24番
長谷正子君。 (24番
長谷正子君登壇)
◆24番(
長谷正子君) 私は
日本共産党大阪市
会議員団を代表いたしまして、1991年度大阪市
交通事業会計決算報告を初めとする
公営企業会計決算の認定に反対の討論を行います。 我が党の
反対理由は、一言で言って、大企業と解同奉仕、
市民要求切り捨てという大阪市の姿勢が交通、
水道事業においても貫かれているからであります。 まず第1に、私が指摘したいのは、西尾市長が市民の声と要求に、耳を貸さない態度で、事業運営を行っているということです。 例えば、私が委員会で取り上げた地下鉄7号線の東伸の問題です。大阪市は鶴見緑地公園駅から、1駅だけ東に延ばすことを計画しています。ところがもし、そのルートになった場合には浜、安田、茨田大宮地域の住民にとっては、7号線は大変不便なものになります。このため、私は現在の計画を改め、今の鶴見区役所から東に真っすぐ延ばし、茨田大宮を経由して、門真方面に延伸する計画に変更すべきだと主張いたしました。これは全茨田地域住民の切実な願いなのであります。ところが、理事者は運政審答申で決まっているからとか、学研都市線と近づき過ぎるとか、技術的に無理だとか、とにかく頭から否定する態度に終始したのであります。しかし、私が委員会で指摘したように、現在の7号線自体、もともと都島茨田線ルートだったのが、諸々の事情で阪奈道路ルートになっているのです。また、JRと近づき過ぎるとの言い分も7号線の森ノ宮と、JRの森ノ宮の間が50メートル、玉造駅では100メートルの間隔しかなく、理事者のこの言い分は全く成り立たないのであります。私は全茨田地域住民の願いを踏みにじり、ほとんど乗客の見込めない鶴見緑地公園駅から、門真南への延伸に西尾市長が固執することはやめ、茨田地域住民が願っているルートに変更するよう強く要求しておきます。 次に、地下鉄にとって大事な財源確保の問題への態度の問題です。我が党は一貫して公共負担制度の確立を主張し、その実現のために奮闘してまいりました。そして、今日、ようやく一定の改善が図られ、国庫補助は建設当年度に一括で補助されるよう改善されました。しかし、この国庫
補助制度について政府は制度改変はしないものの、自治体の出資比率の引き上げや、対象範囲の縮小などで実質的に国の負担を減らす策動を進めています。7月24日の官庁速報に掲載されているものですが、仮にこれが実行されると、大阪市の地下鉄財政の悪化、ひいては
乗車料金の値上げへとつながる危険が大きいのであります。ところが、本議会での理事者の説明や答弁を聞いている範囲では、この政府の策動に明確に反対する姿勢は全く見られず、遺憾な態度と言わねばならないのであります。 また、敬老優待パスの交付年齢の引き下げ問題でも、私が委員会で交付年齢を現行の70歳から65歳に引き下げるよう要求したのに、西尾市長はこれを拒否いたしました。これも市民の願いに耳をかさない冷たい西尾市政の姿を示したものであり、認めるわけにはいきません。 次に、
水道事業についてであります。水道財政が8年ぶりに赤字になったと、あたかも大阪市の
水道事業が今すぐ料金値上げをしないともたないかのような宣伝と議論が一部でありました。しかし、本決算の内容や、今後の見通しを見れば、この議論は成り立ちません。つまり、本決算だけで言えば、2年前に実施された配水管取替工事費用の計上の仕方を資本的収支から、収益的収支に移し替えたことが影響して、赤字決算ということになっているのです。 また、今後の水道財政を見た場合、琵琶湖総合開発の負担金が非常に大きくなっています。年間62億円の負担になるというのです。しかし、もともと、この琵琶湖総合開発は、我が党が一貫して批判してきたように、大企業本位のもので、その負担を市民に転嫁するのは間違いであります。 さらに大阪市が進めている高度処理も大きな問題です。高度処理をしたとしても、鉛管から鉛が解け出したり、さび止め用の樹脂皮膜が剥離して、水道水に混入しており、一番末端の蛇口での水質を考えた場合、多くの問題を抱えており、これらの問題をおざなりにして、高度処理だけを進めることは問題です。また、高度処理は財政的にも大変です。大阪市の工事費は総額で751億円にもなり、最高の年は158億円にもなると見込まれています。ところが、問題は単年度に大阪市だけで158億円もの工事をした場合、現在21億円程度で推移している国庫補助金がパンクするおそれが大なのであります。その結果、大阪市単独事業として、実施せざるを得なくなり、多大の負担となると予想されているのです。高度処理にはこうした解決すべき多くの問題があり、これらの問題点をすべて市民に提起した上で進めるべきであります。ところが、理事者はそういう提起もせず、一度決めたから、何がなんでも高度処理をやるのだという態度です。こうした進め方は極めて問題だと指摘するものです。 また、今日の水質問題を考える上で最大の問題は、リゾート法に基づいた「琵琶湖ネックレス構想」です。我が党委員が市長に環境破壊と水質汚濁を招くリゾート法の廃止とネックレス構想の中止を関係先に申し入れるべきだと要求したのに、市長は抽象的に水質悪化につながらないように申し入れるというだけで、焦点になっているリゾート法とネックレス構想の中止を申し入れるとは言わなかったのであります。全く無責任と言わねばなりません。 第2に大企業奉仕の問題です。 委員会で松下興産を初め、住友生命、竹中工務店、鹿島建設など、そうそうたる大企業が開発している大阪ピジネスパーク地区につくる駅舎の費用98億円を、これらの大企業に金銭で負担してもらうかどうかが論議になりました。我が党委員が運輸政策審議会答申で、開発者に負担させるべきだと報告されていることや、JR大阪城公園駅などでは、開発者が駅舎建設費をすべて負担している事実を示して、駅舎の建設費相当額の負担を金銭的に松下など、大企業に請求せよと質問したのに、西尾市長は何も特定の企業のためにやっているのではない。市民一般の利便のために駅をつくっているなどといって、これを拒否しました。 しかし、開発利益の還元の問題は、巨大な地下鉄建設費用、集積の利益を受ける大企業に、適切に負担させるものとして、その必要性がますます高まっているものです。また、その意図するところは、若干問題があるものの、この開発利益の還元については、政府ですら口にするようになっていますし、先ほどの運輸政策審議会10号答申も、この受益者負担の点を、次のように述べています。鉄道の整備は沿線における開発者や、沿線地域に対し、有形無形の開発利益をもたらしているので、その利益を鉄道整備の財源として活用する必要がある。整備主体が、駅施設などの鉄道施設の建設を行い、鉄道事業者に無償供与する方法や、駅施設などの鉄道施設相当分を鉄道事業者に対して出資などの形で金銭的に負担する方法等により、鉄道整備に伴う開発利益の一部を還元する仕組みについて検討する必要がある。こう述べているのです。それを、西尾市長は、駅舎は市民の利便のためにつくるなどと、一般論に解消するというのですから、市長としての見識が問われます。同時に、このことは大企業に奉仕することを市政運営の基本にしている西尾市長の本質を示したもので、大阪市の大企業奉仕の弊害ぶりを示して余りあると言わねばなりません。 次に、交通局が公共用地を土地信託や新借地などといって、住友生命や安田信託、三井信託銀行などの大企業に次々渡している問題であります。この土地信託について言えば、我が党議員団はこれまで一貫して大企業の儲けに市有地を提供するものとして、見直しを要求してきましたが、最近、バブルの崩壊を受けて、信託銀行自身がそのことを認めるようになっています。つまり、新聞紙上で、信託銀行はこれまでは土地信託をやってきた。しかし、バブルがはじけ、もう儲からないから土地信託には手を出さない、土地信託から撤退すると公言しています。まさに儲けさえすればよいという大企業の本音をよく示しているのであります。私は市民の貴重な財産をこうした大企業の餌食にするのではなく、市民のために活用する態度に改めるよう求めるとともに、すでに信託に出している事業で、不当な不利益をこうむらない措置をとるよう指摘しておくものです。 第3に、解同言いなりになっている点であります。 最初に同和地区の共同浴場に対する助成の問題です。大阪市は同和対策事業として24の共同浴場を建設し、その費用60億円は全部市で負担しています。しかも、運営費として水道料と燃料費の2分の1を補助することを行っています。このような助成は大都市では神戸市の10浴場、名古屋市の1浴場しかありません。大阪市の24カ所は異常としか言いようがありません。政府の「地域改善対策特定事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律」は最後の法律と言われ、延長された法の期限内、つまり5年間で一般対策へのスムーズな移行を求めています。しかし、市は見直しも、一般対策への移行についても、何ら検討していません。全くひどい態度をとっているのであります。 さらに、こうした一般対策への移行の問題以外に、暴力団関係者の運営する同和向け共同浴場に、特別高い補助率で補助していた問題が明らかになりました。つまり、東淀川区飛鳥地区にあるパール温泉の運営者は小西邦彦という人物ですが、彼は1985年に起きた暴力団山口組4代目組長射殺事件の舞台になった部屋の借主になったり、暴力団組長の刑務所からの出所出迎えに参列するなど、暴力団と深くかかわっている人物です。今、世間では暴力団新法がつくられ、暴力団封じ込めの動きが広がり、また佐川急便事件で、竹下内閣の誕生に暴力団がかかわっていたことに国民の批判が集中しています。こうしたときに、大阪市が暴力団関係者に補助金を出し、見直しも何もしないというのですから、あきれ返ってものも言えません。しかも、大阪市はパール温泉の経営が苦しいからなどという口実で、この暴力団関係者の共同浴場に4分の3補助をしています。つまり、他の共同浴場の2倍も補助することを行っています。ところが、我が党委員がパール温泉の経営が苦しいというが、パール温泉の水道や重油の使用量は他の共同浴場の2倍も使っている。大体、共同浴場の売上げは水道や重油の使用量に比例しており、経営が苦しいとの言い分は通用しないと追及したのに、理事者は当初、まともな答弁もできず、今後の問題として調査するというだけでした。しかし、我が党委員の厳しい追及にとうとう経営が苦しいことを示す数字は把握していませんでしたと言い出し、結局、根拠数字も把握せず、暴力団関係者の経営する共同浴場に特別助成をしていることを認めたのであります。まさに乱脈の極みなんです。ここには、相手が解同であれば、どんな無理難題でも、どんな乱脈でも唯々諾々と従う西尾市長の解同奉仕の姿が如実に現れているのであります。 次に、水道局における異常な同和研修です。水道局では1991年度だけでも、局内研修が373回も実施され、職員から無茶苦茶に多い、平日も職場を離れて研修研修という事態が続いていると、批判の声が出されているのであります。総務局12回、財政局4回、港湾局6回、交通局92回から見て、水道局の異常さは歴然です。 また、同和研修の推進体制も異常です。つまり水道局は暴力利権集団、解同と共闘することを目的にしている「水道部落解放研」などと、「三者会議」なるものをつくり、定例的に、あるいは臨時に協議、報告する体制をつくっているのです。つまり、実際は解同言いなりの研修になっているのです。その結果、内容も解同の路線がそのまま研修に持ち込まれ、解同の差別糾弾路線の押しつけという信じがたいことが行われています。例えば、水道局は「職場内人権啓発研修実施の手引き」を作成し、人権啓発推進員をしている管理職全員に配付していますが、それは、真意とずれがあって、信頼の得る啓発はできるだろうか。例えば、推進員自身が差別の有無の疑問、確認・糾弾への疑問などを自らの意識の中で解決しておくことなく、横において研修することは、いわゆる、「タテマエ」研修と言われるものに他ならないと書いています。つまり、人権啓発推進員は差別の有無への疑問や差別・糾弾への疑問をもたず、職員の研修に当たれ、そうでなければ、「タテマエ」の研修をしているにすぎないのだということを言って、解同の糾弾路線を忠実に研修させようとしています。 しかし、この手引きの言う糾弾について言えば、既に地域改善対策協議会の意見具申などで、完全に否定されたものです。そして、部落差別の解消にとって有害だとされているものであります。例えば、地対協の意見具申では、民間運動団体の行き過ぎた言動が同和問題に関する自由な意見交換を阻害している大きな要因となっていることは否定できない。いわゆる、認識・糾弾行為が、非糾弾者への人権への配慮を欠いたものとなる可能性を本来もっていること、また、何が差別かということを民間運動団体が主観的な立場から、恣意的に判断し、抗議することは同和問題の言論について国民に警戒心を植えつけ、この問題に対する意見の表明を抑制していると述べています。また、基本問題検討部会報告は、「確認・糾弾行為」は私的制裁行為だとして、「糾弾権」は法律上の根拠もないし、判例においても認められていない。自由な意見交換ができないことは、同和問題の解決にとって著しい阻害要因となると明言しているのであります。こうした流れに逆らって水道局は職員に解同の糾弾路線に確信を持たせるため、八鹿高校事件の大阪高裁判決が確認・糾弾行為を、憲法14条の平等の原理を実質的に実行あらしめる一種の自救行為として、是認できる余地があると述べている点をとらえて、この判決文のその部分をすべての管理職に配付しています。しかし、この高裁判決自身、その前段で糾弾はもとより、実定法上認められた権利ではないと明確に述べていますし、法務省人権擁護局の高裁判決についての見解でも、そのことははっきりしています。そして何よりも、この高裁判決は主犯の丸尾被告など、全員に逮捕、監禁、強要、傷害等で有罪としているのです。こうした事実を見るなら、まさに自由な意見の表明はできなくする確認・糾弾路線を押しつける水道局の態度は部落差別を逆に温存するものであり、断じて容認できません。 1986年の地対協意見具申や、1987年の政府の啓発推進指針に沿って、水道局の研修はもちろんのこと、市の同和行政の緊急な見直しを改めて主張するものです。 最後に、本委員会審議を通じて、明確になった自民党政府言いなりの西尾市長の政治姿勢について一言触れておきます。 まず、自民党の幹事長や党税制調査会長などが、直間比率の見直しを口実に持ち出している消費税の税率アップヘの対応の問題です。自民党は現行の3%から10%への引き上げを各地で宣伝していますが、もし、そんなことになれば、
市民生活に大きな負担を及ぼすだけでなく、
公営企業会計にも否定的影響を与えるのは必至であります。我が党議員が市長は
市民生活を守る上からも、明確な反対表明を行うべきだと質問したのに対して、市長はマスコミの報道は公式なものでないなどと答えるとともに、交通、
水道料金への転嫁についても、消費税は法律で納めなくてはならないものと答えるなど、全く市民の暮らしを意に介さない無責任な態度をとったのであります。 また、我が党委員が消費税は軍事費の拡大の財源づくりのためのものであると指摘したのに、西尾市長は軍拡に使われるかどうかは、私から申し上げることではないと、不真面目な態度をとった上、自衛隊のカンボジア派兵のための軍事物資の輸送に、大阪港を使う動きの問題でも、きっぱり拒否すべきだとの我が党委員の質問に、法律上拒否できないと、官僚的な答弁に終始したのであります。しかし、沖縄の大田革新知事は、那覇空港のPKO輸送基地使用問題に、関係省庁からは直接の連絡は受けておりませんが、那覇空港がPKO輸送基地として使用されることには強い懸念を抱くものであり、ぜひとも避けていただきたいとのコメントを発表するなど、平和のために努力されています。これと比べたとき、西尾市長の不見識ぶりは明白で、およそ地方自治体の市長にふさわしいものとは言えません。強く反省を求めるものであります。 以上、今議会で論議された問題を中心に、大企業奉仕、解同べったりの大阪市政の問題点を指摘してきましたが、我が党は今後とも市民の願いに応える公正な市政に転換させるため、全力で奮闘する決意を申し上げ、反対討論を終わります。
○議長(北山篤君) これをもって討論を終結いたします。
○議長(北山篤君) これより採決に入ります。 ただいま議題となっております報告第16号ないし報告第19号について、一括して問題とし、起立により採決いたします。
○議長(北山篤君) 委員長の報告は、いずれも認定であります。委員長報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。 (賛成者起立)
○議長(北山篤君) 多数であります。よって報告第16号ないし報告第19号は委員長報告のとおり、いずれも認定されました。
○議長(北山篤君) この際お諮りいたします。 本日はこの程度で散会することとし、次回会議は明17日午前0時より開きたいと思います。 これに御異議ありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(北山篤君) 御異議なしと認めます。 よって議長発議のとおり決しました。
△散会
○議長(北山篤君) 本日はこれをもって散会いたします。 午後11時49分散会
---------------------------------------
△(
イメージ)報告第30号
△(
イメージ)報告第31号
△(
イメージ)報告第32号
---------------------------------------大阪市会議長 北山 篤(印)大阪市会議員
玉木信夫(印)大阪市会議員 川口 優(印)◯大阪市会(定例会)会議録(平成4年10月16日)(終)...